こだわり特集21 ひなまつり

■女の子にとって大切な一日を飾る おひな飾り 
  草木が「いや生い茂る」ことから、弥生と名づけられた三月。
京都の町のあちらこちらでも、都ぶりゆかしい行事や祭りが行われます。

三月三日は、ひな祭り。女の子の誕生を喜んでお祝する日です。

起源は、中国古代の禊の行事であったといいます。
この日、水辺で身体を清め、邪気を祓ったという中国の故事に習い、
日本でも身の災厄を紙やワラで作った形代に移して、川や海に流したのがお雛祭りの始まり。

京都の昔からの町家には、
お母さんから娘へと代々伝わるお雛飾りがあります。

こちらは、ひな飾りに備わっている ちいさな『おままごと』道具です。





この小さな水屋には、精巧に作られた調理道具がいっぱい詰まっています。


「鰹削り」や「ささら」「木のまな板」など、今ではあまり使わなくなった道具もあります。
昔のお料理風景を思い出される方もあるのでは?

半兵衛麸 本店ではこの時期に、緋毛氈の上に勢ぞろいしたひな飾りをしつらえております。
春のおだやかな一時、半兵衛麸 本店の愛らしいお雛さまをどうぞお楽しみくださいませ。

遊び心のある、お雛飾りは古き良き時代の節供の意味を今に伝えます。


■ハレの日 お祝いのお料理


ひな祭りにはお祝い膳の献立があります。

当時の京都では生の魚は
なかなか口に入らなかったこともあり
「なれ寿司(すしの起源)」を
お祝いの膳に用いていました。

近年は「ばら寿司」や、 はまぐりのお吸物などの
献立でお祝いをします。


ちなみに現在の京都でも、
ちらし寿司のことを「ばら寿司」と言われる方も多くおられます。
ばら寿司の具の中には海老(腰のまがった海老は長生きを願う象徴)や
春らしく、華やかな女の子のお祭りにふさわしい菜の花を用います。


<はまぐりの吸い物>
はまぐりの貝殻が貝合わせという
遊びに使われるように、
一対になっている相手以外とは
ピッタリと合いませんので、
一人の人と生涯連れ添うように
という願いがこめられています。

また、お吸い物の碗だねで使用している麻の葉模様のてまりは
女の子の遊び道具でもありますが、麻は生長が早く丈夫なため、
それにあやかってまるまると丈夫に育ちますように、
という願いが込められているとの事。


ひし麸に使われている緑・白・ピンクの色ですが
それぞれ「草萌える大地」「雪の純白」「桃の花」を表しています。
だんだんと春が近づき、
雪の下に芽吹いた新芽が顔を覗かせそれとともに
桃の花がほころんでいる・・・
というような様子を表しているのでしょう。






我が子を思う親の気持ち、春が来た喜びが、ハレの日のお料理に表現されています。

女の子がおられてもおられなくても、
春の訪れをお祝いするお膳を用意してみてはいかがでしょう。